状況調査とは?
「既存住宅状況調査」と「建物状況調査」
- 既存住宅状況調査技術者が既存住宅状況調査方法基準に基づいて行う調査を「既存住宅状況調査」といいます。
- 既存住宅状況調査技術者の資格があっても既存住宅状況調査方法基準に基づく調査でなければ、既存住宅状況調査ではありません。
- 「既存住宅状況調査」は宅建業法における「建物状況調査」に該当します。
宅建業法上のポイント
以下の3つの説明義務が宅建業者に対して課されます。
調査契約時の注意点
建物状況調査の申込者(契約者)は売主・買主が想定されています。 建物状況調査の「申込み」「重要事項説明」「契約」の際に、申込者は次のような情報を用意しておく必要があります。
- 建物基本情報等の提供(住所、床面積…)
- 関連書類の提供(確認済証(写し)…)
- 住宅所有者の承諾の確認
- 立会者の確認(氏名・連絡先)
※マンションの場合
上記の情報の他に、右の情報の用意も必要です。
- 管理組合の承諾
- 長期修繕計画に関する情報(屋上防水の調査を省略する場合の規定があります)
- 調査当日の手配(集合玄関の開錠、屋上への経路確保、屋上での立会い)
劣化事象等があった場合
●『建物状況調査の結果の概要』に劣化事象等「有」と記載されます。
一旦劣化事象等「有」となった部分について補修工事を実施した場合、 再調査の上、劣化事象等「無」と記載された『建物状況調査の結果の概要』の再作成を依頼することも可能です。 (通常、再調査・再作成について、別途費用が発生することがあります。)
- 悪質な調査技術者(調査事業者)に対しては、建築士法その他の関連法令に基づく行政処分 または刑事罰が適用されることがあります。
- 行政処分または刑事罰のほか、既存住宅状況調査技術者講習実施機関である弊会は、
悪質な調査技術者に対して懲戒処分等を行うことがあります。
- 懲戒処分を行うに至らない不正行為等については、文書により必要な指導、助言または勧告(文書注意)を
行うことがあります。
- 懲戒処分等には、「資格取消し」「資格停止」「戒告」「文書注意」があります。
- 懲戒処分等の対象となる行為の例は下表のとおりです。
【懲戒処分等の対象となる行為の例】
懲戒処分等 |
懲戒処分等の対象となる行為 |
例 |
資格取消し |
既存住宅状況調査の業務に係る犯罪 |
依頼主の財物を故意に毀損した。 |
既存住宅状況調査結果(概要)の虚偽記載 |
劣化事象等があったが、無かった旨を記載した。 |
反社会的勢力に該当等 |
暴力団員と関係をもった。 |
資格停止期間中の業務遂行 |
資格停止期間中に調査を実施した。 |
虚偽申告その他の不正な手段による資格取得 |
他人に既存住宅状況調査技術者講習会を受講させることにより資格を取得した。 |
当会に損害を与える行為等 |
既存住宅状況調査技術者講習テキストを無断で複製し、販売した。 |
資格停止 (※1) |
既存住宅状況調査業務委任契約締結時の不実告知 |
売買時に既存住宅状況調査をしなければ罰せられると告げることにより、依頼を取り付けた。 |
契約していない住宅の調査 |
突然調査を実施し、報酬を要求した。 |
調査・報告の不履行・著しい遅延 |
依頼を受けたが、調査および報告を一切行わなかった。 |
守秘義務違反 |
依頼主の承諾なく氏名をホームページに公開した。 |
名義貸し・名義借り |
他の既存住宅状況調査技術者であると偽って調査を実施した。 |
既存住宅状況調査結果の虚偽報告 |
劣化事象等があったが、故意に無かった旨を記載した。 |
建築士法に基づく処分の届出の懈怠 |
建築士法に基づく免許の取消しまたは業務停止の命令を受けたが、当会に届け出なかった。 |
戒告の対象となった行為を継続 |
調査報告の著しい遅延に対して戒告を受けたが、再度著しく報告が遅延した。 |
戒告 (※2) |
既存住宅状況調査技術者証の不提示 |
依頼主から既存住宅状況調査技術者証の提示を求められたが、拒否した。 |
文書注意の対象となった行為の継続 |
調査過誤について文書注意を受けたが、同様の調査過誤があった。 |
文書注意 |
上記に至らない不正行為等 |
同様の調査過誤を繰り返した。 |
※1 不正行為の継続等、情状が特に重い場合は、資格取消しとなる場合があります。
※2 不正行為の継続等、情状が特に重い場合は、資格停止となる場合があります。
懲戒処分の手続きは下図のとおりです。
【懲戒処分等のフロー】
本会は、以下のフローに従い、懲戒処分等を行います。
弊会の懲戒処分基準の規程はこちら。
弊会の講習を修了した調査技術者に関するお困りごとについては、弊会までご相談ください。
既存住宅売買瑕疵保険は、消費者が安心して既存住宅を取得できるよう、
建築士等による検査と保証がセットになった保険制度です。
瑕疵保険と建物状況調査の関係
- 既存住宅売買瑕疵保険(個人間売買タイプ)の申込者は検査事業者です。 売買される既存住宅の売主・買主は保険申込者ではありません。
- 既存住宅売買瑕疵保険(個人間売買タイプ)に加入するためには、
売買される既存住宅の引渡し前のタイミングで保険法人の検査を受ける必要があります。
- 建物状況調査実施者の状況調査技術者が、保険法人に登録済の検査事業者である場合に、
建物状況調査の際、保険法人の指定する検査も実施の上、所定の検査報告書を作成・提出することで、
保険法人の検査を保険法人による検査報告書の審査に代替することができます。
「既存住宅売買瑕疵保険」の種類
既存住宅売買瑕疵保険のタイプは3種類あります。 タイプ毎の主な流れは次のとおりです。
《 個人間売買既存タイプ 》
①~⑧の流れの通り、ⒶⒷは登録検査事業者が倒産した場合
- 住宅に事故が発生した場合は、検査事業者の瑕疵保証責任により、修補または賠償をします。 (かかった費用は検査事業者の負担となります。)
- ①のとおり、買主が登録検査事業者に保証申込をすることが必要です。
- 保険対象部分の修補等*にかかった費用を保険金として検査事業者に支払います。 * 修補に代わる損害賠償金を保険金としてお支払いする場合もあります。
登録事業者を探す
《 宅建業者(買取再販)タイプ 》
①~⑧の流れの通り、ⒶⒷは登録宅建業者が倒産した場合
- 住宅に事故が発生した場合は、登録宅建業者の瑕疵保証責任により、修補または賠償をします。 (かかった費用は登録宅建業者の負担となります。)
- 保険対象部分の修補等*にかかった費用を保険金として登録宅建業者に支払います。 * 修補に代わる損害賠償金を保険金としてお支払いする場合もあります。
登録事業者を探す
《 宅建業者(媒介)タイプ 》
①~⑧の流れの通り、ⒶⒷは仲介事業者が倒産した場合
- 住宅に事故が発生した場合は、仲介事業者の瑕疵保証責任により、修補または賠償をします。 (かかった費用は検査事業者の負担となります。)
- ①のとおり、買主が仲介事業者に保証申込をすることが必要です。
- 保険対象部分の修補等*にかかった費用を保険金として仲介事業者に支払います。 * 修補に代わる損害賠償金を保険金としてお支払いする場合もあります。
平成30年4月1日から流通開始となった新しい制度です。 一定の条件を満足する既存住宅に対し、国の関与のもとで 事業者団体が標章(マーク)を付与する仕組みで、 既存住宅の流通促進を目的としています。
1 基礎的な品質があり「安心」
- 耐震性がある(新耐震基準等に適合)
- インスペクションの結果、既存住宅売買瑕疵保険に加入できる状態にある
※建物状況調査は安心R住宅におけるインスペクションの1種類です。
2 リフォーム工事が実施されていて「きれい」
- リフォーム工事によって「汚い」イメージが払しょくされている
- リフォーム工事を実施しない場合は、参考価格を含むリフォーム提案書がある
外装、主たる内装、水廻りの現況の写真を閲覧できる
3 情報が開示されて「わかりやすい」
- 広告時に点検記録等の保管状況が示され、さらに求めに応じて詳細情報が開示される
4 相談できる